セラピストに起こりうる
皮膚障害や健康被害

大名町スキンクリニック
橋本慎太郎 院長

毎日のように特定のアロマオイルを使用し、
そのことが引き金となって高血圧症となり、
降圧剤が手放せなくなったセラピストがいました。
通常、サロンでアロマオイルを使用するセラピストは、
トリートメント時に肌に塗布して使います。
精油の中には、皮膚のかぶれを引き起こす成分が含まれているものもあり、
たとえば、シトラス系の精油は、約90%がリモネンで構成され、
このリモネンによってかぶれてしまう方も多くいます。
それ以外でも、クローブやサンダルウッド、ネロリ、ティートリーなど、アロマトリートメントで使用される精油によって
皮膚があれたり、かぶれたり、赤くなったりなどして、クリニックを訪れるセラピストが後を絶ちません。
また、セラピストの方で、製油に対してアレルギー反応を起こしてしまう方がいらっしゃいます。
手の手当は非常に大切です。手に小さな傷があれば、そこからダイレクトに精油が毎日毎日浸透していこととなり、
感作する可能性は非常に高くなります。
一度感作が起きてしまうとセラピストの職を続けられなくなることもあります。
起こりうる可能性が高い仕事をしているのですから、
日々きちんとケアをして予防していくことが、何より重要ではないでしょうか。